うちの子供は、そりゃほかの子と比べればちょっとは行動が遅いけれど、全然大丈夫、みんなとおんなじように小学校に上がって中学校に行って…と親というものはそう考えます。
だって、こんなに可愛くて、いつも面白い事言って笑ってて、ダンスしたり友達とおしゃべりしているこの子に何の問題があるのか…と。
私はそう考えてました。
うちの子は行動が遅い。私が過保護というのもあるのだけれど自分で自分支度をするのが困難みたいだ。だけど気持ちや考え方はちゃんと一人前の人間で、彼女なりに考えて生きている。支度が苦手くらい、何なのさ、と思っていました。
うちの子供が、3歳の時の保育園の面談で、担任のA先生から「今はこのくらいの差で済んでいますが、これからどんどん差が開いていきますので…」と言われ、頭をガツンと殴られたみたいな感覚がありました。
私自身もうっかりミス多発人間で、人間関係も限られた人にしか心を許せないという本質を抱えています。もちろん社会に出ているときは社交スイッチをオンにしてますが。
たぶんいろんな人にも迷惑をおかけしているなとは思うのですが、それは私が大人だからであって、3歳の娘が今からそんな枠にはめられて過ごすのは、とてもかわいそうだなと思ってしまうのです。
支度が遅いのは、集団で差がつく…
もっともです。集団で、管理された時間の中で生きていくには、彼女は大変だと思う。
だから先生も心配してくれている。
わかるんです。
でも、その枠に入るってことは、逆に言えば個性をつぶす事じゃなかろうかと、親としては思うのです。
4歳になると担任も変わり、そのB先生との面談でも娘のマイペースぶりが露呈し、そこで、B先生からは「療育支援教室いかがですか?」と、勧められて自治体で行っている月1~2回の教室に通いだすことになりました。
うちの子は、
問題点
- 支度が遅い
- 先生の言ってることへの理解力が、少し足らない
- 人見知りが普通以上ある
- 聴覚が敏感だ
こんな部分が問題なんだそうです。
はっきり言って、私には気づけませんでしたし、参観などで彼女の行動を見ていても「あぁちょっと遅いなぁ、でも頑張れ~」くらいにしか感じ取れない私もたぶん、そういった障害があるのかもしれません。
私の育ってきた環境は、ほんとにのどかで穏やかで心優しい人たちに囲まれて生きてきたので、職場に入るまでは自分が少しおかしいということに気づくことができませんでした。
30歳くらいの時にようやく、自分が些細なことをよく見落とす、ということに気が付いたのです。
でも、ほかの人が苦手なことも逆に自分はできてしまうので、それこそ「個性」と考えていました。
私の苦手なことは、
苦手なこと
- 事務仕事全般(超苦手)
- 文章で書いてあることが、自分のフィルターを通すとおかしな解釈になる
- 「普通はこうだからあの人はおかしい」、といったことを言う人に嫌悪感を持つ
でも逆に得意なことは
得意なこと
- 手先が器用
- 画像など視覚で入ってくるものの解釈は得意
- 聴覚が敏感
と良い部分もあると思っているので、自分のことを嫌いにならずに生きています。
話はそれましたが、娘の4歳時の担任のB先生は、自身のお子さんも療育教室に通われていてか、本当に偏見なく娘と接してくれて、
娘が変なことをしてもおおらかに笑ってくれたりして、そういうのって信頼感が増しますよね。
療養教室は、少人数制に加えてサポートしてくれる保育士さんが多数いるので、保育士さんが大好きなうちの子にとっては、安心できる環境なのか、とても気に入って毎月楽しみにしています。
大人数でいろんな子がいる中でなかなか自分を出せずにいるのと、療養保育で思い切り自己主張できる場所があるのとでは、自信の付き方が違いますよね。
もうひとつ、担任のB先生が教えてくれたうちの子のいいところ。
うちの子供のすごいところ
○○ちゃんは、絶対に人に対して嫌な言葉を言わないんです。すごく優しい子です。
これには、感動しました。だって私、他人に優しくしようね…なんて娘に教えたことなかったんですから。
娘が自分の頭で、人には嫌なこと言わない方がいいよねって、考えたこと。
これだけで、十分すぎるくらいじゃないかと思うんです。立派です。びっくりしました。
支度は、親の私の教え方が下手かもしれないので、これから頑張るとして、人に優しくできるってことは、なかなかできないことだと思うんです、この御時世。
とはいえ、娘に親として見守る以外できることは無いのかと考えた結果、少し発達障害について勉強してみることにしました。
そこで、選んだのがこの本「子どもの発達障害と感覚統合のコツがわかる本」
発達障害にも様々なタイプがあって、うちの子は「ASD(自閉症スペクトラム):社会性に困難を抱えている」に当たるらしいのですが、ほかにもADHD(注意欠如・多動症)、SLD(限局性学習症)、DCD(発達性協調運動症)、CD(コミュニケーション症)などがあります。
発達障害は、脳機能の障害であるのですが、脳は「感覚情報をやり取りする器官」なので、その感覚の適切な発達を促すようにすることで、困難を減らすことができるということが書いてありました。
うちの子の場合は、音が過剰に入力されやすい(本人の意識とは別に全方向から音が入力される)が故に、不安緊張感が増し集中力が落ちるということが背景にあり、その不安を取り除いてやることで防衛反応が働かない普通の状態に戻れるということらしいです。
これは、私も大きな声でしゃべりまくる人が異常に苦手なので、遺伝かもしれませんね。
この本ではさらにケース別のサポート方法が記載されているので(例えば、「人見知りが強い子供のケース」や「多動がみられる子供のケース」「ノートを書くのが遅い子供のケース」など)、当てはまる項目があれば一読の価値はありそうです。
発達障害は、心の問題ではなく脳の統合機能障害なので、運動や、感覚を支援することでうまくいくこともあるということがわかり、良かったです。
そして、そういったことを、自治体の療育支援学級がずっと応援していてくれたのだなぁと思うと、ありがたいと感じます。
どちらにしろ、子供が自力で幸せに暮らしていけるようにいろいろな面で応援していきたいです。