このまえtwitterで紹介されていた本 「人生の土台となる読書」の著者のpha氏が、以前書いた本「持たない幸福論」を読んでみた。
本の表紙には
- 働きたくない
- 家族を作らない
- お金に縛られない
と書いてあった。最近、よく聞く価値観ですよね。
働きたくない、は自分もすごく思うので、ぜひ教えてほしいと思い、本を読み進めていきました。
内容は4章に分かれていて、
- 働くかどうか
- 結婚するかどうか
- お金は必要かどうか
- 居場所を作るには
これについて、pha氏が膨大な読書の中から参考になった本をもとに紐解いていく内容でした。
いろいろ参考になった言葉をピックアップすると
【1章 働きたくない】
では、社会と自分と関係について考察されているんだけれど、面白かったのが、「社会⇔自分」「肯定⇔否定」の4パターンあるというところ。
これによると
ポイント
- パターン1 : 社会も自分も肯定できてうまくいっている
- パターン2 : 社会は肯定するが自分は肯定できない → 社畜状態
- パターン3 : 社会も自分も肯定できない → 自暴自棄状態
- パターン4 : 社会は否定するが、自分は肯定できる
の4パターンあり、パターン2に陥った時にはそのままパターン1に戻らないで、パターン3-4を経由してパターン1に戻るとガス抜きにもなって復活できる、とのこと。
これは、私の転職経験上でも、共感できるものでした。
転職して、人間関係でこれはだめだ…とうちひしがれた時、こんな経験を30代までしたことがなかった私は、あっさりと病んでしまい、絶望の日々でした。自分が悪いんじゃないかとか、いや、この会社が悪いとか、この人が悪いとか、合わせられない自分に問題があるのではとか、とにかく悶々と考え抜いた1年でした。暗かったです、本当に。
で、そのうち、前の職場から召喚され出戻りで冷ややかな視線の中、仕事に復活してからは、プライベートでも少しづついいことがあり、社会的にはまだまだ否定されていましたが、個人的には肯定感が増してきて、現在は、すっかりパターン1の状態に戻ることができました。
pha氏によると、人間には自分のやっていることを他人に承認されたい欲求があって、認めてもらえると虚しさから遠ざかるそう。仕事というのは他人のためとか社会のために何か貢献することだから、働いていれば周りの人間に必要とされることが多くて、だから働くというのは虚しさから逃れる手順として一番よく選ばれる効率的な手段、らしい。
こういうのはパターン2の人のことなんだけれども、社畜としていいように搾取されそうですよね。
わざわざ組織に属して、自分を押し殺しておかしくなるくらいだったら、働かなくてもいいよねとは思いました。
【2章 家族を作らない】
この章も、いろいろな視点から家族を作るのがそれほど効率的ではない、と結論付けられていて、納得した部分もあればそうでないのではと思う部分もありました。
ただ、pha氏が言いたいことは、
2章 まとめ
- 現代の家族は、少人数なので、家族だけで家族の問題を解決するということができなくなりつつある。
- その結果、家族がブラックボックス化して見えないところでDVや離婚、モラハラ、虐待と言った悲惨な事件が起こる。
- 血がつながっていなくても、家族様の形態をとることはできる。→シェアハウスや長屋など
- 昔は家族がいないと生きていけない時代背景があった。今では、家族という形態は弱まった
- たとえ結婚したとしてもそれはゴールではない、老後ひとりになることだってあるから家族以外のサブシステムを確保しといたほうが良い
- 結婚して家族を作るというのは究極の贅沢で、余裕のある人しかできないもの
と、こんなことが書かれていました。
たしかに、結婚しても幸せではない結末になる家族もあるし、幸せであっても、少人数だから子育てや介護など人手が足りないこともあるし、老後まで家族が全員幸せである方が珍しいことかもしれないなって、思いました。
多様化した社会だから、シェアハウスや、それこそ近所の子供の子育てを申し出るとか、一人暮らしのお年寄りを見守るとか、そういうのは納得でした。
結婚して家族を作るというのは本来贅沢なものというのも、なんだかわかるような気もします。
ただ、一つ思ったのは、やっぱり、それもこれもpha氏が結婚してから考えてもいいのになぁって。
ちょっとかんじたのが、理論とか効率的とか、それこそすごく先まで考えすぎちゃって、とりあえず結婚してみるという考えはないのかなと思っちゃいました。(そういう考え方では無責任なのかな…)
かくいう私も、独身の頃は「結婚なんて必要あるのか?」とまで、考えてましたが、
(以前の記事:結婚は必要なのか https://tatsuno-oshigoto.com/do-you-need-marriage/)
結婚して出産したら、やっぱり「結婚は良かった、子供も産んでよかった」と思えたので、一応。
【3章 お金に縛られない】
pha氏は年収100万円前後なんだそうです。
決まった時間に起きて毎日おんなじことの繰り返しだった会社員の時は、好きなことをする時間もなかったが、辞めた今では、好きなことをして受動的ではなく能動的な生活を送ることができるそう。
これは、羨ましいですよね。
ただ、1点気になったのが、100万円の年収で、65歳以降は年金が出るのだろうか、少し気になりました。
でも、田舎で暮らせばお金がかからないとか、そういったことは私も納得でした。最終的には自給自足ですね!
25年も働き続けている私には、pha氏の境地にまで辿り着けそうにないですが、社会に出ることによって心が病みそうになるくらいだったら、pha氏のような生き方をお勧めしたいと思います。毎日のんびり読書なんて素敵ですよね。
もしよかったら皆さんも一読されてください。